アマゾンが2017年に制作したSFドラマです。ものすごく面白くてよくできています!! なのにパイロット版のみで終わってしまいました…。アマゾンがいくつかオリジナルコンテンツを制作して、視聴者の反応などを見てどれをシリーズ化するかを決定したんだと思うのですが、残念なことにこれは選ばれなかったようです。
もう本当によくできていて超面白いし、アマゾンサイトでのコメントを見るに一般的な評判もすごくよかったようなので基準が謎なんですけれども、このパイロット版だけでも見る価値があります。

 

最初に大事なことを言います。

・マッデンさんが主役
・スコットランド出身の聖職者
・全身にタトゥーが入っている
・愛妻家で心優しく、超セクシー
・意志が強く、仕事ができる男

はい、プレゼンは以上です!
というのも何なので笑 あらすじなども書いておきますね。以下、超ネタバレなのでご注意ください。

あ、その前に。
アマゾンのサイトではもう見られなくなっているんですが、こちらでパイロット版をフルで見ることができます。ありがたや。字幕はないんですけれども、以下のあらすじを読んでいただければ大まかなところは大丈夫だと思います!右下にある□マークみたいなのをクリックすると全画面表示になりますよん。
(※打ち切りになっていて見られないし、DVDなども出ていないし、当然のように日本版もないので、リンクをシェアしてもいいかなということでご紹介しますね)

 

【あらすじ】
2032年、ロンドン。気候変動などにより地球では食料や水などが慢性的に不足しており、ごく一部の富裕層以外は食うや食わずの生活をしているというディストピアな未来。聖職者のピーター・リー(マッデンさん)は愛妻ビーとともに教会で炊き出しなどをして、貧しい人々を支えています。しかし、ビーは病に倒れてしまいます。

富裕層はもう地球を見捨てて宇宙へと移住することを考えており、研究が進められています。そんな研究所のひとつであるUSICからある日、ピーターの元に連絡がきます。USICが太陽系外惑星に建設したコロニー、「オアシス」にぜひ来てほしいと、その創業者で大富豪のデイビッド・モーガン本人から依頼があったというのです。

デイビッドとピーターは昔なにやら因縁があったようで、ピーターは話をしに来たUSICの人間に対して最初から突っかかり気味。
たった1%の人間を救うためのプロジェクトになんか興味がないと前も言っただろう、そもそもデイビッドは宗教なんていう”幻想”のないコロニーを作ろうとしていたじゃないか、と要請を突っぱねます。
しかし、コロニーから届いたというメッセージビデオには、「私が間違っていたよ…私は何も知らなかったのだ。ここは想像をはるかに超えた、痛みに満ちた厳しい世界だ…ここには神の使者が必要だ…そしてそれは、絶対にきみでなくてはならない…」と語る、やつれた雰囲気のデイビッドが。

それでも。ピーターは、富裕層だけを救おうというこのプロジェクト「オアシス」は、妻と自分が長年にわたって反対してきたことそのものだと断りますが、USIC側はとにかく来てくれれば教会に多額の寄付をする、というピーターが断れない条件をつけてきます。

しぶしぶコロニーに行くことにしたピーター。しかし付け焼き刃の訓練などを受け、ロケットで打ち上げられてそこに到着してみると、「今回の到着リストに載っていない」とコロニーのクルーに不審がられてしまいます。しかも、どうやら本来はエンジニアが来るはずだったのに、聖職者のピーターが来たことでクルーたちは騒然となります。なぜなら、このコロニーではクルーが幻覚を見たりするなど不審な出来事が相次いでいたからです。

居心地が悪い思いをしながらも、クルーと馴染もうとするピーター。しかしさらに不審なことに、ピーターをここに呼び寄せたはずのデイビッド・モーガンの姿が見当たらないのです。クルーたちに聞き回ってみるも、曖昧な返事でかわされてしまい、誰もはっきりとした事情を教えてくれません。不穏な雰囲気が漂い、いよいよ謎が深まりゆく中、とある悲劇が起きてしまいます。その原因を探るべく、ピーターはデイビッドが残した手がかりを元に、コロニーの外に広がる砂漠の向こうへと探索に向かうのでした……

 

……というところで! こんないいところで! これからというところで! 終わってしまっているんです! わーん!!! アマゾンのレーティングでも5点満点で4.8点がついているのに、なぜパイロット版しか作らなかったのかが最大の謎です!!!

マッデンさんがとにかく魅力的。寡黙ながらも愛情深く、いろんな意味で賢くて強く、聖職者だけど堅苦しいところのない、とてもいい男の役をさらりと演じていてハマり役です。このひとは静かで揺るぎなく、誠実な雰囲気でいて凄まじく色っぽいという不思議な存在感の持ち主ですな。

脚本もよくできているし、アマゾンの制作だけあって予算が潤沢にあったのか、ディストピアな地球やコロニーなどの描写もお金がかかっていてしっかり作り込まれています。SFジャンルのドラマにありがちなチープさが全然なくて(そのチープさも愛すべき味だったりすることもありますが)かなり力を入れて制作したことがうかがえます。なのに…!!

しかし、アマゾン。マッデンさんが「ボディガード」で大ブレイクした今となっては「作っておけばよかった…!」と後悔してるかもしれませんね。今からでも遅くないのでぜひ続きを作ってほしい…!! いやもう超多忙だろうマッデンさんに断られるかもだけど…。
ちなみに先ほど検索していて知ったのですが、結局このとき選ばれてシリーズ化されたのは「マーベラス・ミセス・メイゼル」だそうです。未見ですけれども、あれもとてもいいドラマのようですよね。

 

ともかくも。近未来SFな舞台設定が大好物のわたしとしては、このパイロット版だけでも見れてよかったと思います。しかもタトゥー入りの聖職者なマッデンさんですもん、なんだかもういろいろ最高でした。
そうそう。本筋と関係ないですが、USICに行ってからちょこっとボンドさんっぽいシーンもありますよ!

そういえば、これはミシェル・フェイバーのSF小説「The Book of Strange New Things」が原作だそうなので、いずれ時間があったら読んでみようかなと思います。続きが気になる。

ていうか(まだ話すのか)。マッデンさん、今回もスコットランドのアクセントのままで話していて、それもまた色気に拍車をかけています! これが原作でもピーターがスコットランド人だからなのか、単にマッデンさんをキャスティングしたからそれでいくことにしたのかは不明ですが、大変によきです♡

 

CG部分のメイキングビデオがあったので入れておきます。

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